何も無い。
なんて幸せな事なんだろう。
何も無いならというならば、これから詰め込めば良い。
希望、絶望、愛情、憎悪、幸福、不幸・・・。
あぁ、君はなんて幸せなんだろう。
まだ、そんなに詰め込めるじゃないか。
僕を見ろ。
そして君は僕を蔑むがいい。
愚かな考えに囚われ、生への執着も消え失せたこの僕を。
絶望、後悔、憎悪、不幸、逃避、消失・・・。
あぁ、僕はなんで生きてるんだろう。
もう、何も残ってもいないというのに。
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僕は其処に居る。
何故其処に居るんだろう。
それはきっと惰性。
そして未知への恐怖。
ただ逃げているだけ。
こんな僕を必要としてくれる人はこの世界に居るのだろうか。
なんて・・・、無駄な疑問。
必要となどされる筈が無いのに。
ただ、僕は居るだけ。
変化を恐れる臆病者。
今にしがみつく愚か者。
夢など無い。目標など無い。
今日も僕は生きている。
何時か来るだろう変化を恐れながら。
その変化から永遠に逃れる唯一の手段にも恐れながら。
臆病者、それが僕の名前。